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カンピロバクター食中毒に注意!2025年最新動向と食品事業者がとるべき対策

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食中毒対策

2025/06/30

2025年に入り、全国各地でカンピロバクターを原因とする食中毒の発生件数が例年になく増加傾向にあります。
特に飲食店での集団発生が目立ち、消費者庁や厚生労働省からも注意喚起が頻繁に出されています。
なぜ今、カンピロバクターによる食中毒が増えているのでしょうか?

本コンテンツでは、食品事業者の皆様が知っておくべきカンピロバクターの基礎知識から、食中毒発生時の具体的な影響、そして何よりも重要な予防策までを網羅的に解説します。
食品衛生管理体制を見直し、お客様に安全・安心な食品を提供するためにお役立てください。

カンピロバクターとは?食中毒を引き起こす細菌の正体

カンピロバクターは、鶏肉などの家禽類や牛、豚などの腸管内に生息する細菌です。
少量の菌でも食中毒を引き起こすことが特徴で、特に生肉に近い状態(加熱不十分)で食された鶏肉料理(鶏刺し、たたき、レバ刺しなど)が主な感染源となります。

熱に弱く、一般的な加熱調理で死滅しますが、少量でも食中毒を引き起こすとされています。
そのため、食肉の取り扱いにおける交差汚染にも注意が必要です。

交差汚染とは、調理器具や手指を介して他の食品に菌が付着すること。

カンピロバクター食中毒の主な症状と潜伏期間

カンピロバクターに感染した場合、以下のような症状が現れます。
潜伏期間は一般的に2日~7と比較的長いため、気が付かないうちに感染を広めてしまったり、また、原因食品の特定を困難にする場合があります。

【主な症状】
・激しい腹痛(下腹部痛が特徴)
・下痢(水様性下痢、血便を伴うこともある)
・発熱(38℃程度のことが多い)
・吐き気、嘔吐
・頭痛、倦怠感

【重症化のリスク】
・乳幼児や高齢者、免疫力の低下している方は重症化しやすい傾向があります。
・稀に、食中毒の数週間後に「ギラン・バレー症候群」(手足の麻痺などを引き起こす自己免疫疾患)を発症するケースも報告されています。

飲食店等でカンピロバクターが検出された場合の影響

もしも、店舗でカンピロバクターによる食中毒が発生してしまった場合、以下のような多大な影響が生じる可能性があります。
これらは単なる一時的な経済的な損失に留まらず、企業・店舗の存続にも関わる問題です。

【行政処分】
・営業停止処分(期間は数日~数ヶ月に及ぶことも)
・営業改善命令
・食品衛生法の違反による罰則(過料など)

【社会的信用の失墜】
・メディアによる報道、SNSでの拡散
・企業イメージの著しい低下
・顧客離れ、売上減少
・風評被害

【経済的損失】
・営業停止による売上機会の損失
・従業員の人件費(営業停止中も発生)
・損害賠償請求(重症化した顧客への対応)
・再発防止のための設備投資や教育費用

【従業員の士気の低下】
・食中毒発生による精神的負担
・業務量の増加

今日からできる!カンピロバクター食中毒の徹底予防策

カンピロバクター食中毒は、適切な衛生管理と正しい知識があれば十分に予防可能です。
食品事業者・食品を取り扱う店舗で今すぐ取り組める具体的な対策を提案します。

食品の安全な取り扱い:加熱と交差汚染防止を徹底

肉類の十分な加熱

・鶏肉、豚肉、牛肉は中心部まで75℃1分間以上の加熱を徹底しましょう。
特に鶏肉は生食用の提供を控え、加熱調理を推奨します。
・中心温度計を活用し、確実な加熱を確認することが重要です。

調理器具の使い分けと洗浄・消毒

・生肉を扱った包丁、まな板、トング、バットなどは、他の食品に触れる前に必ず洗浄・消毒しましょう。
生肉用と加熱済み食品用で調理器具を使い分けるのが理想的です。
塩素系漂白剤や熱湯消毒が有効です。

手指の洗浄・消毒

・生肉を取り扱う前後はもちろん、他の食材に触れる際も石鹸と流水で十分に手を洗い、必要に応じてアルコール消毒を行いましょう。

冷蔵・冷凍保存の徹底

・肉類は購入後すぐに冷蔵または冷凍保存し、ドリップが他の食品に付着しないよう密閉容器に入れるか、袋に入れて保管しましょう。
・解凍する際は、冷蔵庫内でゆっくりと解凍するか、電子レンジを使用し、常温での放置は避けましょう。

従業員への衛生教育と意識向上

定期的な衛生研修の実施

・カンピロバクターに関する知識、正しい手洗いの方法、調理器具の洗浄・消毒方法などを定期的に研修し、従業員全員の意識向上を図りましょう。
・新入社員への初期教育も徹底します。

体調管理の徹底

・下痢や発熱などの体調不良がある従業員は、食品を取り扱う業務に従事させないようにしましょう。
・日々の健康チェックシートの導入も有効です。

施設・設備の衛生管理

厨房内の清掃・消毒

・定期的な清掃と消毒を徹底し、清潔な環境を保ちましょう。特に、生肉を扱う場所は重点的に行います。
・床や壁、換気扇なども清潔に保つことで、二次汚染のリスクを低減します。

給水設備の点検

・井戸水を使用している場合は、定期的な水質検査を行うことも重要です。カンピロバクターの汚染がないことをきちんと確認しましょう。

安全・安心な食品提供のために、今すぐ対策を!

2025年に多発しているカンピロバクター食中毒は、食品事業者にとって決して他人事ではありません。
ひとたび食中毒が発生すれば、貴社の事業に壊滅的な影響を及ぼす可能性があります。

お客様に安全で安心な食品を提供し続けることは、食品事業者の最も重要な使命です。
本コンテンツでご紹介した予防策を参考に、貴社の食品衛生管理体制を今一度見直し、カンピロバクター食中毒のリスクを徹底的に排除しましょう。

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