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導入事例CASE

HACCPサポート

2021/06/03

HACCP導入で高まる従業員の安全意識、異物混入を完全シャットアウト

株式会社牛島製茶

住所
福岡県八女市津江397
TEL
0943-22-4818
URL
https://www.yame.co.jp/

今年で100周年を迎えた牛島製茶は、1921年に八女のお茶生産者として創業。「安全で本当に美味しいお茶を、多くの人に味わって頂きたい」という思いで、茶園栽培から製造加工・販売に至るまで自社での一貫体制を築いている。

丸信が提供しているHACCP認証取得支援サービスを利用してHACCP認証を取得した牛島製茶の牛島啓太社長に、認証取得の経緯やメリット、課題などについて取材しました。

同社が認証を取得したのは20201月。対象は、2012年に建設した、荒茶の仕上げ焙煎工程から、茶の袋詰め、ティーバッグ製造、粉末加工などを行う第二工場。設計段階から高い衛生管理体制を意識して、従来の第一工場から分離する形で建てられた工場だ。

認証を取得するにあたり、一般衛生管理として設備や使用器具の衛生管理や、従業員教育などを実施。7S(整理・整頓・清掃・洗浄・殺菌・しつけ・清潔)や食品の取扱環境の管理、従業員意識改革などを現場改善項目として掲げ実施した。

東日本大震災をきっかけに安全性を再認識

牛島啓太社長が商品の安全性について強く意識するきっかけとなったのが2011年に発生した東日本大震災。当時は原発事故の影響を受け、農作物に対するセシウムなど放射性物質による汚染が問題視され、実際に静岡県産のお茶から基準値以上のセシウムが検出された。これに伴い、国内では静岡産のお茶から福岡県の八女産をはじめとする九州産に切り替える動きが加速した。「八女は原発事故現場からは遠く離れた九州にもかかわらず、『セシウムは大丈夫ですよね?』というお客様からの質問を多く受け、安全性に対する要求は今後急速に高まっていくと確信した」と当時を振り返る。


取材を受ける株式会社牛島製茶の牛島啓太社長

その後、放射性物質の検査を徹底するなど、商品の安全性に対する取り組みを強化していく中で、「インバウンド需要も考えると国際的にも通用する、安全性を担保する認証のようなものが必要」と考えるようになったという。

お茶処である八女市の製茶会社の多くは、製造業としての設備を持ち合わせてはいるものの、お茶は農産物という認識が根付いており「当社も当時お茶は、食品という意識は低かったが、世の中抹茶スイーツなどの流通が目立つようになったことをきっかけにお茶は食品という意識は高まっていった。」と牛島社長は明かす。さらに同社は14年前からカフェ併設の直営店を運営しており、よりお茶をスイーツに利用する場面が増えたことで「お茶を食品という位置づけで品質を担保するなら、まずは工場から」と考え、そこでたどり着いたのがHACCPだった。


牛島製茶では自社茶園を持ち、生産・製造加工・販売まで、全て自社で行っている

最小限の設備投資で取得、異物混入は劇的に減少

とはいえ、何をどう対応したらよいのか、費用はどのくらいかかるのか、実際に運用は可能なのか、新たな仕組みに従業員が対応できないのではないか等、考えられる課題は山積み。そこで商品パッケージ等で取引のあった丸信がHACCPサポートを開始したとの情報を得て相談。

HACCPコンサルタントのアドバイスを受け「既存設備を活用して可能な範囲からスタートできる『JFS規格』を知り、これなら始められると思った」と話す。リスクを排除できるようなアイデアを出し合う勉強会を重ね、最低限の設備投資でHACCP認証取得にこぎ着けた。新たに導入した主な設備としては、飛散防止の照明と製品を保管する倉庫のかさ上げ台など最小限に収まり、「どちらかというと、従来は置いていたけどHACCP対応に伴い撤去した備品や設備の方が多い」という。

従業員の意識改革に手応え、さらなるステップアップへ

 当初はハードルが高いと考えていた牛島社長。実際に、菌数検査や安全性チェックなど、HACCP運用のための日々の業務は、取得以前に比べると劇的に増えたのは事実。しかし、いざ導入してみると、社内での運用は今のところ順調だ。「目視検査にしても異物への意識の変化により、社内で異物を見つけることができるようになった。以前よりクレームも激減した」と効果はすぐに現れた。また、「従来は異物混入のクレームに私が頭を下げてきたのを従業員も見てきているので、頑張ってくれているのでは」と従業員の意識改革についても分析する。

とはいえ、認証取得をすることはゴールではなく、今後、永続的に安全性を高めていくことが求められる。「これまではお客様から求められて対応してきたケースも多々あったが、納得してもらうにはお客様以上の知識を持ち、それ相応の体制が必要。安全性の要求は、今後も高まっていくのは間違いない。これからもステップアップは必要」と気を引き締める。


JFS-B適合証書を持つ牛島社長

(取材:株式会社丸信 ライター 田中/取材日:20214月)

丸信は衛生サービスとパッケージ製造のワンストップ対応で、業務の効率化をご提供いたします。

同社は一般消費者と接するビジネス機会を持っていたからこそ、求められる安全性について強く意識し、HACCP導入をきっかけに社内の安全意識を高めることができたが、「一般消費者と接しない業者(BtoB)は意識するには時間がかかるもしれない。しかし、安全性について強く意識できる会社ほど生き残れる業界になってほしい」と業界を挙げた意識向上にも期待を寄せる。

HACCPコンサル

“安心安全な食品” を製造・提供する為の“仕組みづくり” を、
世界的な食品規格のガイドラインであるコーデックス・ガイドライン( 国連機関) に
基づいたHACCP方式にて指導させて頂きます。

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